変えるべきは、未来
当協会は、メンバーに対して「3つの行動」を推奨しています。
このうち、「仕事と私生活での成功」は、「現在」を支配しています。ですが、私たちにとって必要な時間軸は、「現在」に加えてもう一つありますよね。
それは「未来」です。「過去」は変えられません。考えるべきは「未来」です。
すぐに「その時」は、やって来る。
では、教師にとって「未来」とは何を指すでしょうか?
それは、あなたが教師を辞めた翌日から、
あなたがこの世を去るまでのすべての時間の集積です。
イメージしてください
仮に60歳まで勤めることができたとしますね。
翌日からは無職です。そして、その状態のまま90歳くらいまで生きていくことになります。
人によっては食べていくのに困らないくらいの経済的な基盤を手にしているケースもあるでしょう。
ですが、私の知る限り、少なくない方々が退職後は再任用教員を務めています。
一例として
個人的な話で恐縮ですが、50歳を過ぎた頃から体のあちこちにガタが出始めました。
階段を上るとき、つま先を引っかけて転びそうになることが増えたんです。
教室の後ろの掲示板に貼ってあるプリントの見出し文字は、もう見えません。
黒い小さな点が視界に入り、追ったら逃げる、追わなければ視界に戻るといったことが始まりました。いわゆる「飛蚊症」です。
これらの症状は、加齢からくる一般的な問題で、避けられません。
すべてが変わる
肉体的な衰えに加え、知的にも大きな変化が訪れます。
若い頃は、学びたい気持ちに合わせるように、知識を吸収することができていました。
ところが、50代に入ると、吸収率は圧倒的に下がります。ものの名前も出づらくなり、「あれ」「それ」と指示語が多くなります。
私の場合、スマホやiPadなどもうまく使えないのが現状です。
最もあなどれないもの
ですが、肉体的・知的な衰え以上に私を驚かせたことがありました。
それは「精神的な衰え」です。ひと言で言えば、「やる気が出ない」ことです。
私は若い頃から走ることが大好きでした。
だからこそ、ミニマラソンに毎年出場したり、
サッカーの審判を長い期間にわたって続けたりすることもできたと思います。
ところが、50歳を過ぎた頃から、走れなくなりました。
「走りたい」という気持ちが萎えてしまったんです。
走ることで得られる爽快感よりも、「準備が面倒」「暑い・寒い」という逃げの気持ちが勝ってしまったんですね。
あなたは違うのかもしれない
あなたは、私とは違うのかもしれません。
ですが、一般的に歳を取れば取るほど、人間は「保守的」になるものです。「第二の人生」が精彩を欠いてしまうのは、このような避けられない理由があるからです。
経済的理由だけでなく、もしあなたが退職後も充実した人生を送りたいと考えているのなら、あるいはやりたいことはあったけれど、ずっと我慢していたのなら、「準備」が必要です。
そしてその「準備」は、早ければ早いほうがいい。
もし60歳での退職を考えているなら、遅くとも40代後半から着手すべきです。
いつそうなる?
また、あなたの退職が60歳になる保証はありません。さまざまなライフイベントを通じて退職が早まる可能性があるからです。
教師の離職者数は過去最高、病休などの休職者も高止まり傾向にあります。
一方で、教師を辞めた翌日から次の方向性を決めて動き出せる人は、ほとんどいません。
教師は自分の仕事にかかりきりで長い時間を過ごしてきているし、民間企業で活かせるような汎用性の高いスキルを持ち合わせているわけでもないからです。
あなたへの提案です
あなたへ提案したいことがあります。
在職中からセカンドキャリアの準備を始めましょう。
ポイントは、次の3点です。
外の世界に触れる
小さな試みを実際に始める
時間を買う